福井って、
なぜ恐竜王国なの?

⽇本で最も多くの恐⻯化⽯が⾒つかっている福井県。
「恐⻯王国福井」の原点を一緒に探っていきましょう。

1980年代 恐⻯化石の発掘調査を開始

 
⻑い間、⽇本では、恐⻯化⽯は出ないと⾔われ続けていました。
そのような中、福井県勝⼭市北谷町の手取層群北谷層の崖で前期⽩亜紀のワニの化⽯が⾒つかります。これをきっかけに1989年から今なお続く⼤規模な恐竜化石の発掘調査が始まりました。
⽇本最⼤となるこの発掘現場からは、世界的にも重要な恐⻯化⽯が、次々と発見されることになるのです。

1990年代 ⽇本で初めて、恐⻯の全⾝⾻格を復元

発掘調査ではイグアノドン類や竜脚類など、多種多様な恐竜の骨や歯化石が採集されました。特にイグアノドン類は多くの部位が発見され、1995年に日本で初めて全身骨格(2003年にフクイサウルスと命名)を復元することができました。

2000年代 世界3大恐竜博物館「福井県⽴恐⻯博物館」のオープン

福井県の貴重な恐⻯資源を学術研究や地域振興等に活用し、国内外にアピールするため、2000年7⽉に福井県⽴恐⻯博物館をオープン。全⾝⾻格標本を数多く展⽰する世界有数の博物館として、世界3大恐竜博物館と呼ばれるようになりました。
また、同年にはフクイラプトルが肉食恐竜として日本で初めて命名されたことに続き、2003年にはフクイサウルスが命名されるなど恐竜ファンの注目を集めました。

2010年代 福井県⽴恐⻯博物館の知名度向上と相次ぐ新種恐竜の発見

展示の充実と研究員による地道な研究成果、大都市圏へのPRなどによって、マスコミに数多く取り上げられ、福井県立恐竜博物館は広く知られるようになりました。さらに、2014年7月には発掘現場に野外恐竜博物館が開館し、2000年の開館後25万人程度だった入館者数は2015年には約93万人に達し、その後もコロナ禍までは同様の水準で推移していました。
また、2010年にはフクイティタン、2015年にはコシサウルス、2016年にはフクイベナートルが命名されるなど、相次ぎ新種の恐竜が発表されました。これらの新種に、フクイラプトルとフクイサウルスを加えた5種の恐竜化石とその発掘現場が、2017年に国の天然記念物に指定されました。(恐竜化石としては全国初)

2020年代 さらなる恐竜研究の進展と誰もが知る「恐⻯王国福井」へ

2023年7月、福井県⽴恐⻯博物館は化石クリーニングなどの研究体験や大型スクリーンによる3面ダイノシアターなどのコンテンツを追加し、リニューアルオープンを果たしました。さらに、同年9月には新種恐竜としてティラノミムスが発表されるなど大きなニュースが相次ぎ、福井県⽴恐⻯博物館の通算入館者数は1,300万人を超えるまでになりました。(2024年3月現在)
この新種の発表により、日本国内の学名の付いた恐竜11種のうち6種が福井県で発見されたものとなり、名実ともに「恐竜といえば福井」を確かなものにしています。(2024年3月現在)
そして、2024年3⽉の北陸新幹線福井・敦賀開業にあわせて、
街の中に恐竜コンテンツを充実させるなど、
「恐竜王国福井」をPRする取り組みは、さらに加速しています。
あなたも「恐竜王国福井」を訪れ、
その目で確かめてください。

 

COLUMN

福井でたくさんの恐⻯の化⽯が⾒つかる理由

恐竜化石の見つかる手取層群北谷層が堆積した恐竜時代。今の日本列島はアジア大陸の一部であり、大きな川が流れる場所でした。そこに生息していた恐竜たちが、川の氾濫などで地層の中に埋もれ、化石となりました。
福井でたくさんの恐⻯化⽯が⾒つかる理由は主に4つあります。
1つ目は、北谷層の中に、多くの⾻化石などを含む地層(ボーンベッド)を発⾒することができたからです。また、その地層が川沿いの崖に大きく露出していて、採集しやすい場所であることも発掘調査に有利に働いています。
2つ目は、そのボーンベッドの上部を山ごと切り崩し、ボーンベッドをしっかりと露出させることにより徹底的に発掘したからです。
3つ目は、福井県立恐竜博物館を中心とした研究員たちが30年以上かけて継続的に発掘調査を進めてきたからです。
4つ目は、発掘調査をもとに各分野の研究員が、それぞれの専門性を発揮して地道に研究を進め、成果を発表し続けているからです。
このように、福井でたくさんの恐竜化石が見つかるのは、有利な地理条件と大規模かつ継続的な発掘調査、さらには福井県立恐竜博物館の研究員による地道な研究の成果と言えます。

このページのTOPへもどる